コロナ禍に見えたプロの音楽家の条件

新型コロナウイルス感染症の影響は様々ありますが、プロの音楽家の条件というものにもちょっとした影響を与えたように思います。

何を持ってプロと呼ぶかは、話題にすればTwitterが荒れる程度には考え方の違う話題です。

しかし、コロナ禍における音楽家を支援する政策の条件などを見ると、少なくとも社会的地位としてこういうものがあればというのは見えてしまったのかなと思います。

  • 音楽活動の収入で確定申告をしている
  • 有料イベントの広報物に2回以上名前が載っている
  • 国が認めた団体の会員である

そう、持続化給付金と文化庁の補助金の受給条件ですね。後ろ2つはor条件でした。

持続化給付金の手続きをした人なら、今後も音楽活動の収入を事業所得として確定申告することに躊躇はないかと思います。

自分は申告もして控えもあったため申請がスムーズでしたが、確定申告をしていないケースや、雑所得としての申告で苦労した人も多いと聞きます。

文化庁の補助金での活動証明はなかなか難儀しました。

自分はもちろん業として音楽活動をしていますが、アニメソング、ゲーム音楽を扱うことが多く、著作権の制約があり、またアマチュア団体の指導が多いため、意外と有料公演を打っていません。

また、ややアングラ系の活動のため、大きな団体の所属もない状態です。

幸いにもクラシック系の活動で、有料イベントの自主企画や、有料公演の合唱指導をしていたため、それらの資料で申請が通りました。

余談ですが、参加費を徴収して活動するアマチュア楽団の無料公演では対象とならないようで、この辺りは突っ込むと何か変わるのかもしれませんが、別途資料を用意する方が早かったのでそちらにしました。

自身が有償で引き受けるか無償で引き受けるかは意識が行くのですが、イベントとそのものが有償か無償かは盲点でしたので、ドキリとしました。

チラシに名前を載せることにこだわりはあまり強くなかったのですが、活動証明のためには可能な限り載せなければならないことを痛感しました。また、自身がイベント主催をすることが多いので、関係してくれる音楽家に対して、チラシに名前を載せることはなるべく叶えたいとも思いました。

真のプロフェッショナリズムとは精神性にあって、お金とは関係ないという意見も一定の理解はできます。しかし、音楽は社会との関わりなしには活動できないわけで、社会がプロと見るのはどんな自分かというのは体験して損はないことであったと考えています。

なぜ今こんな話題を?そう、確定申告に頭を悩ませているからです(苦笑)



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